高度な企業法務についても対応いたします
会社法や、合併・分割にかかわる高度な企業法務についても長年のノウハウで、迅速・丁寧・正確に対応いたします。
契約書の作成/チェックから、会社定款、増資・減資、合併・分割などの企業に法律事務のご相談や、手続きはおまかせください。
契約書の作成/チェック
「契約」とは、売主と買主のような当事者間に権利や義務を定める法的な約束ですが、口頭でも成立するものがあります。しかし、あとからトラブルに発展することを防ぐため、重要な法律行為を行う際は契約の締結を証し、契約により生じる権利関係や詳細な条件などを明確に記した契約書を交わしておくことが重要です。
契約書チェックポイント
前文
必ずしも必要ではありませんが、契約の当事者明確にするために記載される場合が多いようです。
作成年月日
契約書を作成した日付を記します。契約の実行日が作成年月日と異なる場合は、その日付などを適切に記載する必要があります。
当事者の署名又は記名と印鑑
契約書は当事者双方にとって重要な書類であるとともに、裁判等の際にも契約を証する書証になります。そのため、通常は署名
又は記名とともに印鑑を押印します。特に重要な契約においては、実印を押印する場合が多いようです。
内容
自分に不利な内容になっていないか確認します。契約書の条項がやたらに多い、逆に少なすぎる場合は要チェックです。あらかじめトラブルになるかもしれないポイントがあれば、その場合の対応方法も盛り込んでおく必要があります。
トラブルを防ぎ、取引相手と良好な関係を続けていくためにもきちんとした契約書を作成しましょう。
会社定款
定款とは会社の目的、資本(株式等)、機関(株主総会や役員)などに関する基本事項を定めた文章で、いわば「会社の憲法」のようなものです。会社を設立する際には必ず作成しなくてはなりません。定款の記載事項には、「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3つがあります。また、作成方法にもいくつかの決まりごとがあり、内容が不適切な場合は訂正や、再作成が必要な場合があるので注意しましょう。
さて、この定款ですが、会社を設立する場合には定款を作るだけでは不十分で、さらに公証役場で公証人の認証を受けなければならないことになっています。 公証役場は公証人が働く事務所のことで、公証人というのは、法務局に所属する国家公務員で、通常は公証役場で定款の認証をはじめ、公正証書(簡単に言うと、国のお墨付きの契約書や遺言書)の作成を業務として行っています。公証役場は全国各地にあります。
なお、定款を認証してもらえるのは、会社を設立しようとする都道府県内にある公証役場です。例えば富山で会社を設立するには、富山県内の公証役場で認証を受ける必要があります。
増資・減資について
株式の発行には、色々な費用が生じます。
その費用は、会社設立時には「創立費」、増資時には「新株発行費」として処理します。繰延資産となり、3年以内に均等額以上を償却することになります。
増資とは
会社の資金が不足すれば、外部から資金を調達することになりますが、調達する資金は、金融機関からの融資・借り入れによることが一般的です(銀行や日本政策金融公庫など)。
この外部機関からの借り入れのほかに、資金調達の方法として、出資を受けて会社の資本金を増やす、増資という方法があります。増資によって得た資金は、一般の融資とは異なり、返済する必要はありません。
ただし、返済しなくてよい資金であっても、会社は出資者(株主)に対する配当(見返り)を与えなければ、出資者は増資には応じてくれないでしょう。
増資した会社は利益を多く出すよう、事業活動に励み「配当」という形で出資者(株主)に見返りを与えるという、一定の責任が生まれます。
減資とは
増資とは反対に、資本金を減らすことを言います。
例えば、資本金1000万円の株式会社が300万円の減資を行って、資本金を700万円の株式会社にすることなどを指します。
減資の最も効果的な使い方としては、例えば、資本金1000万円の株式会社が、現在、累積赤字400万円を抱えているとします。
赤字の400万円と資本金のうち400万円を相殺して、資本金600万円の会社にすることによって、この赤字を消しさります。これが、減資の昨今の典型的な形です。
減資を行うには、まず株主総会の承認を経ます。
次いで、会社債権者に対する一定の期間(1ヶ月以上)を置いての減資公告と、原則として知れている債権者に対する催告をして、この間に債権者からの異議を受け付けます。(期間中に、異議がないことを確かめる、または、異議のある債権者に対する対応をすることになります。これを債権者保護手続きといいます)。
なお、減資を行うには、直前期の決算についての決算公告を行うことも必要です。
会社合併と分割
合併には、合併をする会社のうち1社が存続し、その他の会社が存続する会社に吸収されて解散する 「吸収合併 」と、合併をする全ての会社が解散し、新たに新規の会社を設立する 「新設合併 」の2種類があります。
以下では、利用されることの多い 「吸収合併 」の手続を前提に説明していきます。
合併手続の流れ(株式会社同士の合併手続のケース)
1.合併契約の締結、合併契約書の作成
2.株主総会の招集通知
3.契約内容及び法務省令事項の事前開示
4.債権者保護手続(官報公告)
5.株式(新株予約権)買取手続
6.株主総会の承認決議
7.合併契約で定めた効力発生日到来
8.合併登記
9.登記完了
* 4.の債権者保護手続は、1ヶ月以上の期間を定めて官報公告をし、かつ、原則として知れている債権者に各別に催告をする必要があります。
この官報公告をするためには、通常2週間前(決算期の貸借対照表の公告を兼ねる場合は、さらに日数を要します)に申込みをしなければなりません。
会社分割
会社分割とは、株式会社又は合同会社(分割会社)が事業に関して有する権利義務の全部又は一部を、分割により、他の会社(分割承継会社)に包括的に承継させる組織法上の行為です。分割承継会社が分割により新しく設立される場合を「新設分割」といい、既存の会社が分割承継会社となる場合を「吸収分割」といいます。
M&A
「M&A」とはMergers and Acquisitionsの略で、直訳すると「合併と買収」という意味になりますが、営業譲渡や株式譲渡、資本提携などを含めた広い意味での企業提携の総称として使われています。 「M&A」の手法は、「合併」、「買収」、「業務提携」と大きく3つに分けることができます。
M&Aのメリット
M&Aは企業の「存続と発展」をダイナミックに実現させるための戦略です。
譲渡企業
- 目的:
- 後継者問題の解決
譲受け企業の経営資源の活用
選択と集中
第二創業
- メリット:
- 従業員の雇用を守れる
会社の更なる発展を図れる
創業者利潤の実現
個人保証や担保の解除
譲受企業
- 目的:
- 新規事業の発展
売上・市場シェアの拡大
人材・ノウハウの獲得
経営のスピードアップ - メリット:
- 迅速な事業拡大
技術力・販売力の無形資産を一括取得できる
安定的な売上・利益が期待できる
経営ノウハウ発揮の機会増加
解散と廃業
会社の業績が悪化し、やむを得ず解散させた際には会社解散の登記を申請し、清算結了の登記を申請しなくてはなりません。清算結了登記により登記簿を閉鎖しない限り、法律上その会社は存在することになります。
また、休眠会社は、法務大臣が休眠会社に対し2か月内に本店の所在地を管轄する登記所にまだ事業を廃止していない旨の届出をするように官報に公告した場合において、その届出をしないときは、その2か月の期間の満了時に解散したものとみなすことになっています。
以下手続きを確認していきましょう。
解散の手続き(株主総会の決議による解散の場合)
- 株主総会での解散決議
- 株主への解散通知
- 解散の届出(税務署へ)
- 債権届出の公告、通知
- 解散・清算人の登記
- 解散確定申告書の提出(税務署へ)
- 清算結了登記
解散・清算人登記に必要な書類
- 定款(株式会社の場合)
- 株主総会議事録
- 委任状
- 代表清算人の印鑑届出
- 代表清算人の個人の印鑑証明書
清算結了登記に必要な書類
- 株主総会議事録
- 清算事務報告書
- 委任状
ABL
ABLとは、Asset Based Lendingの頭文字をとったものです。(以下、ABLと言います。)
また、動産・債権担保融資といいます。これは、企業が有する原料・製品などの在庫や機械設備類(動産)、又は、売掛金(債権)等の流動資産を担保にした融資手法のことです。
最近、「動産・債権等の活用による資金調達手段」として「ABL」という方法が注目されています。経済産業省や金融庁などもこの制度の普及を進めています。
ABLが普及してきた背景
従来、特に中堅・中小企業に対する金融機関の融資は、主に不動産担保や代表者の個人保証に依拠する手法でしたが、これらは経済の持続的な高成長を前提条件としたものであり、それが崩れると機能しにくくなるという構造的欠陥を抱えていました。
実際、バブル崩壊後の不動産価値の大幅な下落により金融機関の資金供給意欲が低下し、いわゆる貸し渋りにより多くの中堅・中小企業が倒産したり深刻な打撃を受けました。
このような経験から、不動産担保に過度に依存する融資手法から、企業が有する在庫や債権等の事業収益資産に注目した融資手法(つまりABL)に転換していこうという動きが胎動しているのです。
一般的なABLスキーム
しかし、ABLでは、企業が保有する「商品在庫や機械設備などの動産」や「売掛金などの債権」などを事業用資産として評価し、融資に活用します。
この手続に際して、債権譲渡登記制度や動産譲渡登記制度が活用されることになります。
一般的なスキームは以下のとおりです。
- 借入企業と金融機関が売掛金や商品在庫動産等を担保提供することを合意
- 金融機関は、動産・債権の担保評価を行い、融資枠を決定
- 譲渡担保契約の締結、融資実行、動産譲渡登記・債権譲渡登記の申請
- 借入企業は融資開始後、定期的に売掛金や在庫残高などを金融機関への報告
- 4に基づき、金融機関は評価替えなどを実施、融資枠の調整
- 解散確定申告書の提出(税務署へ)
- 金融機関は貸付金の返済を確認
株主総会
株主総会とは、株主によって構成される、株式会社における最高の意思決定機関のことです。
株主総会には二つの種類があり、
・定時株主総会
・臨時株主総会
に分けられます。一般的に新聞やニュースで見聞きする株主総会は、定時株主総会のことを言います。これは、6月に開かれているものです。
ではこの株主総会では何が話し合われているのでしょうか。
代表的なものは、
●取締役・監査役の選任
●取締役・監査役の報酬決定
●計算書類の承認
●自己株式の取得
などです。
株主総会というのは頻繁に開けるわけではなく、日常の経営判断は取締役会などの判断に委ねられています。そこで、その任せるべき役員を決めようという趣旨です。
通常三月決算の会社は、四月、五月と本決算で忙しくなります。決算書を作成したからといって、正式な決算書となる訳ではないのです。
株主総会で株主が認めて初めて、会社としては正式な決算書が出来た事になります。これらの代表的な事項については、通常定時株主総会で決定されています。
臨時株主総会とは
必要があるごとに臨時に開かれる株主総会です。会社法の中で、いくら社長や取締役会であっても決められない事が定めてあります。
●定款の変更
●資本の減少
●株式交換・株式移転
●会社の合併
などが挙げられます。
これらは定期的に起こる事ではなく、突然決議を迫られる事が多くあります。そういった場合には、その都度株主総会を招集するのです。(株主総会は基本的に二週間前までに株主に知らせます)
事業継承
事業継承とは、会社(事業)を現在の経営者から、他の人(後継者)に引き継ぐ形で譲渡することを指します。 具体的には会社事業だけでなく、会社の株式や諸々の財産、役職など、これまで経営者として保有、管理してきたさまざまなものを、後継者に譲り渡すことになります。
経営者層の高齢化に伴って、事業承継への関心も高くなっています。
「自分が退いた後、会社をどうしよう?」と頭を悩ませている中小企業経営者の数も、年々増えているといいます。
「自分が辞めた後、会社をどうするのか」経営者が会社を退くまでに、よく考えて決めておきたいことです。
後継者を誰にするのか、あるいは会社の在り方そのものを見直すのか。
方法はさまざまですが、何より必要なのは、事前の十分な検討と方向性の確定です。
親族への承継、従業員や社外の人間への承継、あるいはM&Aによる吸収合併や売却など、その選択肢は多岐にわたります。 理想の承継ができるように、時間を掛けて調整を重ねていくことも必要なのです。
多くの人が関係する事業承継の問題は、経営者の一存だけで決まらないことがたくさんあります。 また、経営者が事前に何の対策も立てていなかったため、残された人達の間でトラブルになるケースも少なくありません。
周囲に迷惑をかけないよう、事業承継の重要性を認識した上で、自分がキャリアを終えた後のことをじっくり考えてみてはいかがでしょうか。
下記はその進め方です。
1.現状の把握
今の会社がどんな状況にあるのか。そして、理想の事業承継を行うためには何が必要なのか。 すべては計画の基盤づくりである「現状の把握」から始まります。
2.承継の方法、後継者の確定
子供に後を継がせるか、役員の中から昇格させるか、それとも社外からの抜擢か、それと も……?
「誰に次を任せるのが、会社にとってベストなのか?」多くの経営者にとって、身を退く前に行う最後の重要な判断・意思決定となります。
3.事業承継計画の作成
方向性が固まれば、具体的な計画を作り上げていく作業へと移ります。社内や取引先など、たくさんの人間が関係することなので、周りの協力や理解を得ながら、 責任を持って進めていきましょう。
4.具体的な対策の実行
既存の経営者が第一線を退く場合、経営してきた会社を今後どうするのか?
方法としては、『親族に承継する』『親族以外に承継する』『廃業、もしくはM&Aを活用する』 の3つに大きく分けられます。