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不動産登記の住所変更が義務化! 変更登記のやり方と流れ

購入や相続などで不動産を所有することになれば、所有者に関する情報などを公の帳簿に記すことになります。これが「不動産登記」です。


この登記は、不動産を所有した時点での氏名・住所を記載していますが、その内容に変更があった際に、変更内容の登記が義務付けられることになりました。


この記事では、不動産登記の住所変更義務化について、その理由や対象、変更登記のやり方と流れを解説します。

不動産登記の住所変更が2026年より義務化

2026年(令和8年)の4月1日より施行される不動産登記法第76条の5によって、不動産の所有者の氏名もしくは住所の変更があった際には、変更日から2年以内に変更登記しなければならなくなります。


もしも正当な理由なく変更登記を怠った場合は、5万円以下の過料が課せられる可能性があります。


法務省が正当な理由として挙げているのは、「行政区画の変更などによって所有権の登記名義人の住所に変更があった場合」や「所有者に重病などの事情がある場合」、「DV被害者で避難を余儀なくされる場合」などです。


不動産所有者は、氏名や住所変更があったときには速やかに手続きをしましょう。

登記における住所・氏名変更が義務化した理由

これまでは、住所や氏名を変更した際の登記は義務ではありませんでした。また、不動産所有者にとって登記を変更しないことによる不利益もほとんどなかったため、住所変更登記未了の不動産が日本中に存在することになっています。


たとえば、相続などで不動産を所有することになった人が結婚によって苗字が変わり、引っ越しをした場合などです。このとき変更登記しなければ、不動産の所有者の追跡が難しくなってしまいます。


不動産の所有者不明によって、さまざまなケースで困難が発生します。もしも私道の承諾書を取得したいと考えても、複数の私道所有者のうちひとりの行方がわからなければ、関係者を探す手間と時間、費用がかかってしまうでしょう。


今回の法改正は、登記情報が古いままで放置されることがないようにし、現在の所有者がどこの誰であるかを管理しやすくするために行われます。

住所変更登記の対象

住所変更登記の対象は、一戸建てやマンション購入による新居への転居です。


また、2026年(令和8年)4月1日以前に住所変更しており、変更登記をしていない場合も義務化の対象となります。当てはまる方は、2028年(令和10年)3月31日までに変更登記するようにしましょう。(令和3年法律第24号の附則第5条第7項)

不動産の住所変更登記のやり方と流れ

不動産の住所変更登記の大きな流れは以下の通りです。

  • 登記事項証明書を取得する
  • 必要書類を準備する
  • 登記申請書を作成する
  • 登録免許税を納付する
  • 申請書を提出する
  • 登記完了書類を受領する

氏名や住所の変更登記は、必要書類も少なく比較的簡単な手続きであるため、自分での手続きも可能です。

登記事項証明書を取得する

まずは最寄りの法務局の窓口にいき、登記事項証明書(登記簿謄本)を取得して現在登録されている情報を確認しましょう。


不動産1個につき600円の手数料がかかります。たとえば一戸建ての場合は土地と建物が別々に登記されているため、両方の登記事項証明書が必要です。

必要書類を準備する

住所変更の場合は、住民票または戸籍附票(登記されている住所から現在の住所までの変遷がわかるもの)を用意しましょう。


市区町村の役所で取得できます。

登記申請書を作成する

登記申請書の書式は法務省のホームページからダウンロードできます。以下のリンクをご利用ください。記入例を参考にして必要事項を記入しましょう。


ちなみに、サイズはA4用紙と決まっています。手書きでもよいですが、ボールペンなど消えないもので書いてください。

登録免許税を納付する

氏名や住所変更登記をする際には、登録免許税がかかります。不動産1個につき1,000円の収入印紙を購入し、納めましょう。


前述した通り、土地と建物は別々に登記されているため、多くの場合、一戸建てには2,000円分の収入印紙が必要です。


また、マンションの場合は専有部分と敷地部分は別と数えます。そのため最低でも2,000円かかると思っておきましょう。

申請書を提出する

登記申請書に必要書類を添えて、不動産の所在地を管轄する法務局の窓口に提出します。


申請は郵送でも可能です。郵送する場合には返信用封筒を同封し、書留または簡易書留で法務局へ送りましょう。

登記完了書類を受領する

申請後、完了までは10日ほどかかります。窓口か返信用封筒で「登記完了証」を受け取ると完了です。

所有者の負担を減らす「スマート変更登記」がスタート

氏名が変わることはさほどなくとも、引っ越しなどによって住所が頻繁に変わる方もいらっしゃるでしょう。


氏名・住所変更登記の義務化にともない、不動産所有者には手間や手数料、税などの負担が発生します。その負担を軽減するため、2025年(令和7年)4月21日から「スマート変更登記」がスタートしました。


これは、不動産所有者があらかじめ情報を登録しておくことで、その後変更登記の必要が生じたときに、法務局が事実確認をして職権で変更登記をするという制度です。


この制度により、所有者が変更登記を申請せずとも、自動的に登記が更新されるようになります。


2025年4月21日以降に新たに不動産を取得する場合は、登記申請時にスマート変更登記利用のための情報登録もすることになります。すでに不動産の所有者である方は、同日以降、できるだけ早く手続きすることがおすすめです。

スマート変更登記の流れ

スマート変更登記を利用した場合は、以下の流れになります。

  • 法務局が定期的に住基ネットに照会して住所などの変更の有無を確認する
  • 住所などに変更があった方に変更登記してもよいかを確認するメールを送信する
  • メールに「よい」と返信した方について職権で順次変更登記を行う

そのため、情報提供で登録するメールアドレスは、日常的に使用しているものにしましょう。

「検索用情報」の提供が必要

「スマート変更登記」に必要なことは、検索用情報の提供です。


登録するのは氏名、住所、生年月日、メールアドレスで、オンラインでの申請もできます。オンライン申請でも窓口申請でも、費用はかかりません。


オンラインの場合は法務局の「かんたん登記申請」のページから行いましょう。以下のリンクから飛べます。

スマート変更登記を利用できないケース

法人と海外在住者については注意が必要です。


法人の場合は「会社法人等番号の登記」をすると利用可能ですが、会社法人等番号がない場合は利用できません。これは法務局が住所などの変更事実を確認できないからです。


また、海外に住んでいる個人も、法務局で住所変更を確認できないため、スマート変更登記は利用できません。

氏名や住所の変更登記を忘れずに!

2026年4月1日以降は、住所変更登記が義務化されます。


変更日から2年以内に変更登記をしない場合、ペナルティが課される可能性があります。また登記の更新を怠ると、不動産売却や相続などの際に手続きが複雑になってしまうことも考えられるため、ぜひ早めに、スマート変更登記の手続きを済ませておきましょう。


不動産の相続や登記にかかわる心配や不安がある方は、南司法行政測量事務所にご相談ください。スムーズな問題解決のお手伝いをさせていただきます。

コラム監修者

南昌樹
南昌樹南司法行政測量事務所 所長
土地家屋調査士・司法書士・行政書士3つの資格保持者。1993年(平成5年)に司法書士登録後、30年以上にわたり相続・登記を担当し、96年(平成8年)に行政書士・土地家屋調査士も取得。富山県司法書士会副会長を4期8年歴任し、創業60余年の南司法行政測量事務所を率いる。
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