メニュー
とじる
(平日 8:30~17:30)
〒930-0029 富山県富山市本町10-10
コラム

Minami
Judicial and
Administrative
Surveying
Office

遺言書と遺書の5つの違いについて|遺言書の法的効力内容も解説

遺言書と遺書は、どちらも「遺」と「書」という共通した漢字を使うため、間違いやすい言葉です。中には同じような意味だと思っている方もいるでしょう。


ただし、この2つの言葉は似ているようで、大きな違いがあります。


そこでこの記事では、遺言書と遺書の違いについて解説します。両者の異なる点について説明し、遺言書の種類や法的効力が認められる事項についても記載しますので、そろそろ終活を始めようかと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

遺言書と遺書の異なる点


まずは遺言書と遺書の違いを、以下5つの観点から見ていきましょう。

遺言書遺書
目的被相続人(亡くなった人・財産を譲る人のことで遺言者とも呼ぶ)の財産に関する最終の意思表示のために作成本人の意思で作成された文書生前最後のメッセージとして、感謝の思いや無念の気持ちなど、感情をしたためる自分の死後に、家族や友人に読んでもらう言葉を書いた手紙
内容誰が自分の財産をどれだけ受け取るのかを指示婚姻関係にない女性との子どもの認知後見人の指定自由に作成可能、内容の縛りは無し
形式厳密に定められた形式にのっとって、適切な形で作成少しでもミスがあれば、遺言書として不承認形式は自由
法的効力有り無し
費用遺言書には3種類があり、いずれも費用がかかる特に公正証書遺言は財産に応じて費用が異なるため、金額が大きければ大きいほど費用は高額になる基本的に無料で作成可能


公正証書遺言書の費用に関しては、以下の記事で解説しています。

遺言書の種類と法的な効力が認められる遺言事項


法的に認められる遺言書には、種類や事項があります。まずは遺言書の種類を簡単に説明し、続いてどのような内容について書けるかを紹介します。

遺言書の種類

遺言書には大きく分けて「普通方式」と「特別方式」がありますが、通常使われるのは普通方式です。そしてその普通方式には、以下3つの種類があります。

  • 自筆証書遺言
  • 公正証書遺言
  • 秘密証書遺言
種類特徴メリットデメリット
自筆証書遺言最も簡易な方法文字が書ければ作成可能費用が安い形式ミスによる無効の可能性がある家庭裁判所での検認が必要でその費用がかかる紛失、改変、隠匿の可能性がある
公正証書遺言公証役場で作成する法律の専門家が作成する無効リスクが低い紛失や偽造の可能性がほぼない検認不要費用が高め証人を2人以上用意する必要がある準備や手続きが複雑
秘密証書遺言内容を秘密にできる本文はパソコンでも作成可能公証人と2人の証人が必要紛失のリスクがある形式ミスによる無効の可能性がある家庭裁判所での検認が必要でその費用がかかる


遺言書の種類別作成方法や作成時の注意事項などについては、以下の記事で解説しています。

法的効力がある遺言事項

民法によって遺言できる内容は法定されており、これを「遺言事項」と呼びます。遺言事項は以下の通り、大きく4つに分類可能です。


【相続方法】

遺言者の意思で民法による法定相続制度とは異なる相続をすることを認める事項


【財産】

遺言者の意思で相続以外の方法での財産処分を認める事項


【身分関係】

未認知の子どもや後見人の指定などの事項


【遺言の執行】

遺言の執行に関する事項


以下で、遺言の執行以外の事項について、どのようなものがあるかを表にまとめました。

種類遺言者の意思と内容
相続方法推定相続人の廃除または廃除の取消し相続分の指定特別受益の持戻しの免除遺産分割方法の指定と禁止相続人相互の担保責任の指定遺留分減殺方法の指定
財産遺贈寄付信託の指定
身分関係未成年の場合後見人を指定する内縁の妻とのあいだの子どもを認知し、相続人に加える


以上は法的な効力が認められる事項ですが、これ以外のことを遺言の内容にしても構いません。

遺言の法的効力は無効となることもある


遺言書は故人の意思を伝える最後の方法で法的効力がありますが、すべてがそのまま認められるわけではなく、いくつかの限界があります。

各遺言書が無効になるケース

さまざまな手続きを経て遺言書を作成したとしても、残念ながら無効になってしまうケースがあります。各遺言書で無効になってしまうケースをみていきましょう。

自筆証書遺言の場合

自筆ですべてを書く必要があるため、文書の作成にパソコンやレコーダーを使用した場合は無効になります。また、遺言者でない人が代筆した場合や、2名以上が共同で書いた場合も無効です。


「2025年、春」といったような日付が特定できないもの、本人の自署がないもの、相続する財産内容が不明確なものも無効になるため、気を付けなければなりません。


日付、誰がどの財産を受け取るか、自分の氏名・住所などは明確に記載しましょう。

公正証書遺言書の場合

公正証書遺言書は、遺言書の作成に立会人が必要です。公証人と証人2名以上の立ち合いが決められているため、証人が足りなかったり証人になる資格を持っていない人が立ち会ったりした場合は、遺言が無効になります。


また証人の数が揃っていても、誰かが離席している間に作成した遺言書は無効になるほか、公証人に言葉以外のものを使って(身振り手振りなど)意思を伝えた場合も無効です。

秘密証書遺言の場合

秘密証書遺言は、本文をパソコンや代筆で書くことが認められています。しかし、署名は必ず自筆でなければなりません。押印と同じく、これを忘れると無効になります。


また、自筆証書遺言と同じく内容が不明確であれば無効です。ただし、自筆証書遺言の要件を満たしていれば、自筆証書遺言としての法的効力が発生するため、念のために自筆で作成するようにしましょう。

その他のケース

形式不備など以外に遺言書が無効になるケースは以下のようなものがあります。

  • 遺留分
  • 公序良俗違反
  • 詐欺、脅迫、錯誤など

遺留分

遺言でも奪えない権利に「遺留分」があります。遺留分は、一定の相続人がもつ最低限の遺産の取り分のことです。


遺留分は故人のきょうだい以外の法定相続人に認められており、それぞれに割合があります。


なお、遺留分についてはその権利の内容や割合、計算方法などについて以下の記事で解説しています。

詐欺、脅迫、錯誤など

遺言は遺言者の意思を表示するものであるため、詐欺や脅迫、錯誤によって作成されたときは取り消しができます。


詐欺は、父の家業を継ぐ気がない長男が「家業を継ぐ」と父に話して欺き、父はそれを信じて長男に有利な遺言をした場合などです。


脅迫は、遺言者を虐待したり通帳などを取り上げたりして畏怖させ、遺言書を作成させた場合などがあります。


錯誤とは勘違いのことです。


たとえば、遺言者がこの家は自分の名義だと思い込んでいて遺言書を作成したけれども、実際は他人の名義だった、といったような場合が考えられます。

定義を知って遺言書と遺書を使い分けよう

今回紹介したように、遺言書と遺書は似ているようで非なるものです。どのようなものかをしっかりと理解し、自分の意思を明確にする手段を選ぶようにしましょう。


南司法行政測量事務所は、遺言や相続、不動産などに関するさまざまなご相談に親身になって対応いたします。不安や心配な点がある方は、ぜひ一度お問い合わせください。


相続・遺言に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「相続・遺言業務のご案内ページ」までどうぞ。

コラム監修者

南昌樹
南昌樹南司法行政測量事務所 所長
土地家屋調査士・司法書士・行政書士3つの資格保持者。1993年(平成5年)に司法書士登録後、30年以上にわたり相続・登記を担当し、96年(平成8年)に行政書士・土地家屋調査士も取得。富山県司法書士会副会長を4期8年歴任し、創業60余年の南司法行政測量事務所を率いる。
まずはお気軽にご相談ください
(平日 8:30~17:30)

こちらの記事も読まれています

コラム一覧へ