人が亡くなってから、遺族がやらなければならないことは多岐にわたります。しかし、そのさまざまな手続きには期限があることをご存じでしょうか。期限内に終わらなければ、納める税金の軽減制度利用などができなくなってしまうなどのデメリットがあります。
また、すべての手続きが終わるのに、どのくらいの期間がかかるのだろうと考える方もいるでしょう。
そこでこの記事では、人が亡くなってからすべき手続きの内容とその期限、そして個別の手続きが完了するまでの期間目安について解説します。

誰かが亡くなったことを知ってから、遺産相続の手続きすべてが完了するまでの期間は、一般的に3か月から6か月程度と言われています。
書類などの不備が一切なく、スムーズに処理が進んだ場合でも3カ月程度かかるため、実際には半年くらいの期間をみておいた方がよいでしょう。なお、遺産が多く確認に時間がかかったり、書類に不備があったり、相続争いが発生したりした場合などは、数年かかることもあります。
相続した遺産が入金されるのは、相続手続きが完了したときです。そのため、亡くなった人の財産で暮らしていた場合、早く遺産を入金してもらわなければ生活に支障が出てしまいかねません。
そして、遺族の気持ちとしても、多くの方が早めに相続手続きを終わらせてしまいたいと考えています。心身にとって軽くない負担となり得る相続手続きを早期に終わらせるため、人が亡くなったあとにどのような手続きがどの程度の期間で必要なのか、知っておくようにしましょう。

被相続人が亡くなってからの手続き内容と期限を、以下の表にまとめました。
| 期限 | 手続き内容 |
7日以内 | ・死亡診断書の受取 ・死亡届の提出 ・火葬許可申請書の提出 |
| 14日以内 | ・世帯主の変更届の提出 ・国民年金の受給停止手続き |
| 3カ月以内 | ・相続放棄や限定承認の申出 |
| 4カ月以内 | ・準確定申告 |
10カ月以内 | ・遺産分割協議と書類の作成 ・預貯金などの解約 ・名義変更 ・相続税申告 ・相続税の納付 |
| 1年以内 | ・遺留分侵害請求 |
2年以内 | ・高額療養費の申請 ・葬祭費の申請 ・死亡一時金の受取請求 |
| 3年以内 | ・相続登記 ・死亡保険金の請求 |
| 5年10カ月以内 | ・相続税の還付請求 |
なお、それぞれの期限の起点は、「自分が参加する相続があったと知った日」です。民法でも「相続は死亡によって開始する」とあるため、基本的には被相続人が亡くなった日から起算することになります。
以下の記事で、相続時の遺産分割協議書について、必要なケース・不要なケース、作成方法などを解説しています。
相続にまつわる税金には、所得税と相続税の申告があります。
準確定申告とは、亡くなった人(被相続人)の代わりに相続人がする確定申告です。これは相続開始の翌日から4カ月以内に行わなければならず、この期限を過ぎてしまうと延滞税が発生します。
準確定申告をすべきケースは、被相続人が事業を営んで確定申告していた場合や、副収入があって確定申告義務があった場合、確定申告によって被相続人が還付金を受け取れる場合などです。
相続税の申告や納付は、相続開始の翌日から10カ月以内にしなければなりません。注意点は、申告のみならず納付まで完了させることです。
相続税を期限以内に納められなかった場合、遅延日数に応じた延滞税がかかり、税額が上がります。また、万が一にも放置していると、最終的に財産の差押えになる可能性もあります。
期限内の納付が難しい場合は、「延納」や「物納」の利用を検討しましょう。延納は相続税を分割払いする方法で、物納は土地などの「物」で直接納付する方法です。
相続税を払い過ぎたという場合は、税務署に申告すれば還付を受けられます。還付申請は相続開始の翌日から5年10カ月以内が期限です。
たとえば、不動産の評価を誤った場合や、特例・控除などを適用せずに計算していた場合、税理士に依頼したけれどミスが発覚した場合などが、該当します。

故人の財産を相続するのにかかる以下の期間の目安を、それぞれの種類別に紹介します。
預貯金は、銀行・農協・信用金庫などで手続きをします。
遺産分割協議がまとまると被相続人の預貯金を相続した人が使えるようになりますが、名義変更が必要です。その際、銀行や農協、信用金庫などでは、相続手続きを申請してから2〜3週間程度で完了します。ゆうちょ銀行は、他の銀行よりは若干長く時間が必要で、1カ月半ほどかかることがあります。
基本的には申請当日に手続きが完了することはありませんが、中には支店窓口で手続きをしてくれる金融機関もあり、その場合は当日の手続き完了も稀にあります。
株などの有価証券を相続した場合には、証券会社へ申請します。かかる期間の目安は1〜3カ月程度ですが、相続人が証券口座を持っていない場合には、口座作成にかかる時間も加算してください。
死亡保険金の請求は各生命保険会社へ行います。請求期限は被保険者の死亡から3年以内です。
保険の場合はあらかじめ受取人が指定されているため、遺産分割協議の必要がありません。受取人自らが手続きをすると、およそ1週間程度で保険金が受け取れます。
遺産に不動産が含まれている場合は、法務局に対して相続登記を申請します。登記完了予定日は一般的に、申請から2〜3週間程度です。
以下の記事で、相続登記の手続きの流れや準備すべきものなどについて、解説しています。
相続放棄や限定承認の申請は、家庭裁判所にしましょう。原則として、相続開始日から3カ月以内に家庭裁判所に申し立てを行わなければなりません。
申請から1〜2カ月で完了しますが、相続放棄については家庭裁判所から届く照会書を返送する必要があります。これを忘れると手続き完了が遅れるため、忘れずに返送するようにしましょう。
以下の記事で、遺産相続放棄のメリットやデメリット、方法などについて解説しています。
遺言書が見つかった場合、家庭裁判所にできるだけ早く提出し、検認手続きを受けます。検認の目的は、相続人全員に対し遺言書があることを知らせ、内容を明確にするとともに偽造などを防止することです。
通常、提出してから1カ月程度で家庭裁判所から相続人に検認期日の通知が郵送され、全相続人が集まって検認を行います。
債務調査は、被相続人の未払い社会保険料や借入金などがないかを調べるものです。遺産分割や相続税申告の基礎となるため重要なことで、必要な期間は概ね1〜2カ月程度になります。
一切の不備がなく、スムーズに手続きが進んだ場合でも、遺産相続の手続きは3カ月から半年程度かかる大変なものです。
もしも遺産分割で相続人間の争いが起きた場合は、数年かかることもあります。そのため、相続トラブル防止を念頭におき、遺言書作成や生前贈与などの検討を含め、さまざまな知識を手に入れておきましょう。
南司法行政測量事務所は、相続や登記、遺言に関する親身なサポートをお約束します。さまざまなご不安やご心配を解決する対応が可能ですので、相続について悩みがある方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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