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任意後見制度にかかる4つの費用とは? 制度利用の流れも解説

任意後見制度とは、将来の判断能力の低下に対して不安に思う方が利用できる、成年後見制度のひとつです。判断能力があるうちに本人の意思によって後見人を決めて契約することで、身の回りの環境を整えておけます。


今回は、この任意後見制度にかかる費用について解説します。代表的な4つの費用の具体的な内容や制度利用の流れについて解説しますので、制度を利用したいけれど費用について不安があるという方は、ぜひ参考にしてください。


任意後見人について、種類やできること・なれる人などは以下の記事で解説しています。

任意後見制度にかかる4つの主な費用と流れ


任意後見制度にかかる主な費用は以下の4つです。

  • 公正証書作成手数料(必須)
  • 専門家への報酬(任意)
  • 後見人への報酬(任意)
  • 監督人費用(必須)

上記の4つは、必須の費用と任意の費用、そして効力発生前の費用と効力発生後の費用に分けられます。


制度の流れと、それぞれの費用がいつ発生するかについては以下をご覧ください。

  1. 任意後見人となる人を選ぶ
  2. 任意後見契約の内容を決める
  3. 公証役場で公正証書を作成し契約を結ぶ→公正証書作成費用 / 専門家への報酬
  4. 公証人が法務局に対し登記の嘱託をする
  5. 判断能力の低下に従い「任意後見監督人選任の申立」をする→監督費用
  6. 任意後見監督人の選任後に後見人の職務開始→後見人への報酬 / 監督費用

では、4つの費用について、次から具体的に解説します。

【必須】公正証書作成手数料

任意後見の契約は、必ず公正証書で作成します。そのため、公正証書の作成手数料は任意後見で必要不可欠な費用です。


費用を浮かすためにと法的に問題がない契約書を自分たちで作成しても、任意後見制度では私文書の契約書は認められておらず、公正証書でなければ法的効力は発生しません。


以下が費用の内容です。

内容費用目安
公正証書作成1万1,000円
登記嘱託手数料1,400円
印紙代2,600円
郵便切手代600円(約)
原本超過枚数加算1枚250円
正本謄本の作成料1枚250円


正本は本人と受任者に各1通ずつ、そして謄本は法務局への登記申請用として1通必要であるため、契約書の枚数×3セット準備しましょう。


公正証書作成の一般的な費用目安としては、2万円程度です。

出張にて作成の場合は出張費が加算される

本人が病床についているなど、何等かの事情で公証役場まで行けない場合、公証人は出張してくれます。ただし、出張を依頼した場合は日当や交通費を負担しなければなりません。


日当は1日あたり2万円、4時間以内の場合は1万円ほどかかります。交通費は実費で、病床執務加算は5,500円です。

【任意】専門家への報酬


任意後見契約書は自分でも作成できますが、一度契約が成立すると後から変更することが容易ではありません。公証人は公正証書の作成はしてくれますが、内容の相談には応じないため、契約書の相談及び作成、内容の確認を希望する場合は専門家への依頼が必要です。


後見制度をサポートできる専門家は、司法書士や弁護士、社会福祉士、行政書士などで、サポートを受けるに当たって報酬が必要になります。


なお、社会福祉士や行政書士は家庭裁判所への申立て手続きのサポートや任意後見契約書の作成支援などはできますが、法律家の専門家ではないため、裁判書類の作成や成年後見人になること、審判・調停の代理人にはなれません。

専門家・事務所によって報酬は異なる

どの専門家、どの事務所に依頼するかによって報酬は異なりますが、もっとも費用が高いのは弁護士です。


弁護士ごとに費用は大きく異なりますが、20万円がひとつの目安とされています。任意後見契約の内容や財産の状況によってはさらに高くなる場合もあるため、まずは無料の相談などを利用することがおすすめです。


司法書士へ依頼する場合の費用目安は、5〜10万円ほどをみておきましょう。

【任意】後見人への報酬

後見人への報酬額は、契約で自由に決められます。家族を後見人にする場合は、多くの場合、無報酬です。ただし、家族に報酬を支払ってももちろん構いません。その場合は1〜3万円程度になることが多いようです。


後見人への報酬は1回限りではなく、任意後見をしている間は毎月支払いになります。金額によっては負担が大きくなるため、報酬額は慎重に考えることが大切です。決めた報酬額や支払い方法は、後々トラブルにならないよう、任意後見契約書に記載しておきましょう。


なお、任意後見人がどのような業務を行うかについては、以下の記事で解説しています。

専門家に依頼する場合は報酬必須

専門家に任意後見人を依頼する場合の報酬金額は、専門家ごとに自由に決定できるため、一律で決まっているわけではありません。ただし、目安として法定後見人の報酬額があります。

管理する財産額月額報酬の目安
1,000万円以下2万円
1,000~5,000万円以下3~4万円
5,000万円以上5~6万円


各事務所によって報酬額は異なりますが、上記の表から考えられる最低額の目安は年間24万円ぐらいです。

【必須】監督人費用


必要不可欠なものが、任意後見監督人の費用です。かかる費用には、任意後見監督人の選任申立時に必要な費用と、制度開始後の監督人への報酬があります。

任意後見監督人の選任申立費用

任意後見監督人の選任の申立に必要な費用は以下の通りです。

内容費用
申立に関する手数料(収入印紙代)800円
登記にかかる費用(収入印紙代)1,400円
必要書類代(戸籍謄本や診断書など)3,000~1万円
連絡用の郵便切手代申立をする家庭裁判所へ確認
申立の手続き代行費用10~15万円


自分で申立をすると合計1万円ほどになりますが、司法書士や弁護士といった専門家に申立手続きの代行を依頼する場合には、10〜15万円が必要です。


また、状況によっては家庭裁判所の判断で、本人の精神状態について鑑定するように言われることがあります。その際の鑑定費用は約5〜10万円程度です。また、鑑定が必要ないケースでも、判断能力が低下したことが証明できる医師の診断書が必要であるため、その費用がかかります。

監督人の報酬

任意後見監督人には家庭裁判所によって専門家が選任されるケースが多く、報酬額も家庭裁判所が決定します。


監督人に支払われるのは「基本報酬」と「付加報酬」の2つがあり、管理する財産の金額や不可報酬の有無などによって報酬額は毎月変化します。


家庭裁判所によって公表されている監督人の基本報酬額は以下の通りです。

管理財産額月額報酬額
5,000万円以下1~2万円
5,000万円以上2万5,000~3万円


毎月支払われるこちらに加え、通常業務の範囲内に収まらない特別な業務を行った際に支払われる報酬額(付加報酬額)があります。付加報酬額の目安は基本報酬額の50%までの範囲内です。

任意後見制度の費用などの相談は専門家へ

任意後見制度に関わる費用や手続きは、契約の方法や依頼内容によって変わるため、一律に「いくら」と断言できません。公証役場での手数料や契約にかかる初期費用に加え、実際に後見が開始された後には報酬や管理実費なども発生します。そのため、制度の概要を理解するだけでなく、自分の状況に合わせた具体的な費用の見通しを立てることが大切です。


南司法行政測量事務所は、司法書士・土地家屋調査士・行政書士が在籍し、複雑になりがちな手続きをワンストップでサポートできる体制を整えています。さらに、50年以上の実績で培ったノウハウや、富山市を中心とした相続登記の豊富な経験があり、正確かつ迅速な対応を行っている点も大きな強みです。出張相談など利用しやすい体制も整っているため、初めて任意後見制度を検討する方にも安心してご利用いただけます。


任意後見制度の費用や具体的な流れについて不安を抱えている方は、まずは南司法行政測量事務所へお気軽にご相談ください。なお、任意後見制度に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「任意後見業務のご案内ページ」までどうぞ。

コラム監修者

南昌樹
南昌樹南司法行政測量事務所 所長
土地家屋調査士・司法書士・行政書士3つの資格保持者。1993年(平成5年)に司法書士登録後、30年以上にわたり相続・登記を担当し、96年(平成8年)に行政書士・土地家屋調査士も取得。富山県司法書士会副会長を4期8年歴任し、創業60余年の南司法行政測量事務所を率いる。
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