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【生前贈与】不動産の名義変更手続き|流れや必要書類などを解説

不動産を所有している場合、相続税の評価額が高くなってしまうため、生前贈与で相続対策をしたいと考える方も多いでしょう。また、自分が希望する形で土地や建物を大切な人に渡せるため、生前贈与を検討するという方もいらっしゃいます。


ただ、不動産の贈与では登記が必須です。登記手続きでは多くの必要書類があるうえに、税金や費用など、考えなくてはならないことも多くあります。


そこでこの記事では、生前贈与で不動産を渡したいと考える際の、不動産の名義変更の流れやかかる税金、必要書類などについて解説します。

不動産の生前贈与とは?

生前贈与とは、生きている間に自分の財産を本人の希望で渡すことです。土地や家、マンションなどの不動産を生前贈与する場合には、対象不動産の名義変更を行う必要があります。


生前贈与は、当事者同士の合意によって権利が移転するうえに、登記は義務付けられていません。しかしながら、贈与されたという事実だけでは第三者へ向けて権利を主張できず、結果としてその不動産の売買や担保設定などもできなくなります。そのため義務ではありませんが、不動産を手に入れた場合は必ず不動産所有者の名義を変える「変更登記」が必要です。


生前贈与とは何か、そのメリットやデメリットについては以下の記事で詳しく解説しています。

生前贈与における不動産の名義変更の流れ


不動産を生前贈与する場合の、名義変更のことを「所有権移転登記」と言います。所有権移転登記を含めた、不動産の名義変更の流れは以下の通りです。

  1. 物件調査
  2. 税金確認
  3. 書類収集
  4. 書類作成
  5. 贈与契約と署名押印
  6. 法務局へ申請
  7. 贈与税の申告

簡単に言うと「契約」→「法務局へ申請」→「納税」ですが、申請前の事前準備が多くあります。

①物件調査

不動産の生前贈与にあたり、まずは対象となる物件の情報を正確に把握しなければなりません。


最初にすべきは、管轄の法務局で登記事項証明書(登記簿謄本)を取得することです。物件の所有者や、広さ、所在地などの物件情報、抵当権などの権利関係を確認しましょう。もしもこのとき、名義上の住所が現住所と異なっていたり、結婚離婚などによって氏名に変更があったりした場合は、先に住所変更登記や氏名変更登記を済ませておく必要があります。


次に市区町村役場で固定資産評価証明書を取得し、不動産の評価額を確認します。この評価額は、後述する税金や費用を計算するために必要です。


なお、不動産登記事項証明書については、以下の記事で詳しく解説しています。

②税金や費用確認

不動産を贈与する際には、以下のような税金や費用が発生します。贈与する前に、これらの金額を把握しておきましょう。

  • 贈与税
  • 不動産取得税
  • 登録免許税
  • 司法書士への報酬

贈与税

贈与された財産に対して課せられる税金です。贈与税には、年間110万円まで非課税となる「暦年課税」と、特定の要件を満たす場合に利用できる「相続時精算課税」があります。


直系尊属(親や祖父母)から子や孫への贈与には特例税率が適用されるため、実際の税額は一般より抑えられる場合があります。ただし財産評価額によって変わるため、専門家への確認が望ましいでしょう。


なお、贈与税は、相続税よりも税率が高く設定されています。

不動産取得税

不動産を取得した際に一度だけ課せられる税金です。固定資産評価額を基に計算され、贈与を受けた側に納税義務が発生します。


不動産取得税は相続時であればかかりませんが、生前贈与では必要です。また、税額は都道府県ごとに異なるため、事前に確認しておきましょう。

登録免許税

不動産の所有権を移転登記する際に課せられる税金です。こちらも固定資産評価額を基に計算されます。


登録免許税も、相続時よりは負担が増します。相続時は0.4%ですが、贈与時には2%であるため、注意が必要です。

司法書士への報酬

生前贈与による名義変更の手続きは、専門知識が必要なため、司法書士に依頼するのが一般的です。報酬額は事務所や事案によって異なりますが、目安は5万円から10万円程度です。

③書類収集

以下の必要書類を集めましょう。

譲る人・登記識別情報通知(登記済権利証)
・対象不動産のもの印鑑証明書
・3ヶ月以内のもの固定資産評価証明書
・名義変更する年度のもの本人確認書類
譲られる人住民票本人確認書類
その他贈与契約書もしくは贈与証書


物件調査の段階で取得した「登記事項証明書」も添付しましょう。


法務局によっては、固定資産評価証明書が不要な場合や、納税通知書で代用できるところもあります。

④書類作成

集めた書類を基に、所有権移転登記申請書と贈与契約書を作成します。


贈与契約書は、贈与者と受贈者の間で、不動産を贈与することに合意したことを証明する重要な書類です。後々のトラブルを避けるためにも、贈与する物件、贈与の時期、条件などを明確に記載します。


そして所有権移転登記申請書は、法務局へ提出する公的な書類です。正確な物件情報や登記原因(この場合は「贈与」)などを記載します。

⑤贈与契約と署名押印

作成した贈与契約書に、贈与者と受贈者が署名し、実印で押印します。この署名と押印によって、贈与契約が正式に成立したことを証明します。

⑥法務局へ申請(所有権移転登記申請)

必要書類がすべて揃い、贈与契約が成立したら、物件を管轄する法務局へ所有権移転登記を申請します。


司法書士に依頼する場合、司法書士が代理で手続きを行います。申請が完了すると、通常1〜2週間程度で登記が完了し、名義変更が完了したことを示す登記識別情報通知書が発行されます。

⑦贈与税の申告

不動産の贈与を受けた場合、原則として、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までに、所轄の税務署へ贈与税の申告と納税をします。


贈与税の基礎控除額である110万円以下の場合でも、相続時精算課税制度を利用する場合は申告が必要です。

不動産の生前贈与の名義変更は専門家への依頼がおすすめ


不動産の生前贈与による名義変更手続きは、一見するとご自身でもできそうに思えるかもしれません。実際にご自身で手続きを始める方も多くいらっしゃいます。


しかし、法務局への申請書類の作成や必要書類の収集には専門的な知識が必要で、少しでも不備があると手続きがスムーズに進みません。また、贈与税や不動産取得税などの税金に関する判断も複雑で、正確な知識なしでは思わぬ負担が発生する可能性もあります。


司法書士に依頼すれば、これらの複雑な手続きをすべて任せられ、スピーディーに名義変更が完了できます。また、個別のケースに応じた最適な手続きや、税金に関するアドバイスも受けられるため、安心して手続きを進められるでしょう。


そのため生前贈与を検討している方は、まず一度、専門家である司法書士に相談してみることをおすすめします。

生前贈与の不動産名義変更は労力と費用を比較して検討しよう

生前贈与による不動産の名義変更は、贈与契約書の作成から、必要書類の収集、法務局への申請、そして贈与税の申告まで、多くの手続きと専門的な知識が必要です。


ご自身で手続きを進める場合は費用を抑えられますが、書類の不備による手続きの遅延や、複雑な税金計算のミスなど、多くの労力がかかります。一方、司法書士に依頼すれば費用はかかりますが、手続きを任せられるため、時間と労力を大幅に削減可能です。


創業60余年、地域密着型の南司法行政測量事務所では、生前贈与に関するお悩み解説のため、誠心誠意サポートいたします。不安なことやご不明な点がある場合は、ぜひ一度ご相談ください。


なお、生前贈与に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「相続・遺言業務のご案内ページ」までどうぞ。

コラム監修者

南昌樹
南昌樹南司法行政測量事務所 所長
土地家屋調査士・司法書士・行政書士3つの資格保持者。1993年(平成5年)に司法書士登録後、30年以上にわたり相続・登記を担当し、96年(平成8年)に行政書士・土地家屋調査士も取得。富山県司法書士会副会長を4期8年歴任し、創業60余年の南司法行政測量事務所を率いる。
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