住宅ローンを完済したときや不動産の売却を考えるときに必要となるのが、抵当権抹消(ていとうけんまっしょう)登記です。
しかし、「手続きを専門家に依頼したいけど、費用がいくらかかるのか不安」と感じている方は多いのではないでしょうか。
「何にどのくらいのお金がかかるの?」「司法書士の報酬相場はどのくらい?」「自分でやる場合と比べて、結局どちらが安くてスムーズなの?」などの疑問を持つ方のために、この記事では、抵当権抹消を司法書士に依頼する場合にかかる費用の目安や流れなどを、順番に解説します。

抵当権とは、住宅ローンを貸し出す代わりに金融機関が不動産に設定する権利のことです。住宅ローンが完済したり、不動産を売りたいといった場合には、抵当権を抹消しなくてはなりません。これを抵当権抹消登記と呼びます。
そのために必要となる費用は、順番に以下の4つです。
なお、抵当権とは何か、その法的な性質やメリット・デメリットなどについては、以下の記事で解説しています。
抵当権抹消登記をする前に、対象不動産の登記内容を確認し、自分に所有権があること、そして住宅ローンを借りた金融機関に抵当権があることを確認しましょう。
不動産登記は戸建ての場合、土地で1件、家屋で1件の2件。マンションの場合は住戸で1件です。
登記情報提供サービスを利用した場合、請求・受取ともにオンラインとなり、1件あたりの手数料は331円となります。
一方、法務局に出向いて窓口で申請する場合は、600円かかります。なお、請求はオンラインで行い、郵送で受け取ったり窓口で受け取ったりすることも可能です。
司法書士に依頼する場合は、この事前調査費用は司法書士の報酬に含まれることが多いです。
抵当権抹消の登記では、登録免許税という税金が発生します。これは不動産1件につき1,000円と法律で定められており、全国一律です。
たとえば「土地1筆+建物1棟」の場合、合計2,000円の登録免許税が必要になります。
この税金は自分で手続きを行っても必ず支払う必要があるため、司法書士に依頼しても金額は変わりません。
司法書士に支払う報酬は、手続きの中心となる費用です。報酬の中には以下のような作業が含まれます。
全国的な相場は1万〜2万円前後が多く、登記の件数や書類の状態によって多少変動します。複数不動産をまとめて依頼すると、1件あたりの報酬単価がやや下がるケースもあります。
日本司法書士会連合会が実施した「司法書士報酬アンケート結果(2018年)」によると、抵当権抹消登記の全国平均は以下の通りです。
| 地域 | 全体の平均値 |
| 北海道 | 15,532円 |
| 東北 | 13,863円 |
| 関東 | 15,613円 |
| 中部 | 16,638円 |
| 近畿 | 18,795円 |
| 中国 | 15,289円 |
| 四国 | 14,409円 |
| 九州 | 13,821円 |
出典:日本司法書士会連合会「司法書士報酬アンケート結果」
この表からもわかるように、司法書士に抵当権抹消を依頼する際の報酬は全国平均で1.3〜1.6万円程度。実務上もこの範囲内で請け負っている事務所が多く、地域差はあるものの、2万円を超えるケースは少数派です。
事後確認は必須ではありませんが、抵当権抹消登記の後は申請した内容が登記記録に反映されているか、確かめることをおすすめします。
こちらは事前調査と同じく「登記情報提供サービス」か「登記事項証明書(登記簿謄本)で確認できます。費用は事前調査費用と同じです。
なお、この事後確認も、司法書士へ依頼する場合は基本的に報酬の中に含まれています。
一般的な戸建て住宅の抵当権抹消登記(土地・建物各1件)を司法書士に依頼した場合の合計費用目安は、以下の通りです。
| 項目 | 費用(最低限) | 費用(高め) | 備考 |
| 登録免許税(実費) | 2,000円 | 2,000円 | 土地1件+建物1件の場合 |
| 司法書士報酬 | 10,000円 | 30,000円 | 地域差や難易度による |
| 合計 | 約12,000円 | 約32,000円 |
費用の相場を見て「自分でやった方が安いのでは?」と感じる方もいるでしょう。
しかし、司法書士に依頼することで得られるメリットは少なくありません。
特に、売却や相続登記を控えている場合は、手続きミスが大きなロスにつながることもあります。数千円〜1万円程度の差で「安心と確実性を買える」と考えれば、司法書士への依頼は十分に合理的といえます。
では、この抵当権抹消登記の費用は誰が負担するのでしょうか。ケースごとにご紹介します。
住宅ローンを完済して単に抵当権を抹消する場合、費用は原則として不動産所有者(債務者)が負担します。
金融機関は抵当権抹消のための書類を交付する義務はありますが、申請手続きや費用の負担は一般的に行いません。
不動産を売却する場合、売買契約と同時に抵当権を抹消するのが一般的です。
この場合の抵当権抹消登記の費用は、通常、売主(不動産所有者)が負担します。買主は、抵当権が抹消された「きれいな」不動産を受け取る必要があるため、売主が責任をもって抹消を完了させます。
不動産所有者が亡くなり、相続人が抵当権抹消を行う場合、相続登記と同時に抹消手続きが必要です。
この場合、相続人(新たな不動産所有者)が費用を負担します。相続登記自体にも費用がかかるため、まとめて司法書士に相談することをおすすめします。

司法書士に依頼する場合の一般的な流れは、以下の通りです。
①司法書士を探す
司法書士を口コミやホームページで選び、費用相場を確認します。
②無料相談・見積もりを受ける
所有不動産の数や登記内容を伝えると概算費用を提示してもらえます。
③金融機関から受け取った書類を渡す
完済証明書や解除証書、委任状などを司法書士に提出します。
④司法書士が登記を申請
法務局への申請は司法書士が代行します。通常、1〜2週間ほどかかります。
⑤登記完了の報告・書類の返却
完了後、登記識別情報や登記完了証が返却されます。これで抵当権抹消は完了です。
司法書士に依頼する際は、以下の点に特に注意し、スムーズな手続きを目指しましょう。
なお、登記には法律上の期限はありませんが、金融機関から受け取った書類には有効期限(多くは3ヶ月)が設定されています。期限切れになると再発行の手間が生じるため、書類受領後すぐに依頼するのが理想です。
抵当権抹消を司法書士に依頼する場合、費用は大きく「登録免許税などの実費」と「司法書士報酬」の2つに分けられます。費用総額の目安は、約12,000円〜32,000円程度です。
費用はかかりますが、司法書士に依頼することで、手続きの時間的・精神的な負担から解放され、手続きの確実性が上がります。特に、住所変更や相続など付随する問題がある場合は、専門家に頼るメリットは計り知れません。
創業60余年の南司法行政測量事務所では、登記・測量・行政手続きをワンストップでサポートしています。抵当権抹消の費用や手続きに関するご相談も無料で承っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
なお、抵当権抹消に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「不動産登記業務のご案内ページ」までどうぞ。

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