不動産の購入や高額の融資を金融機関から受ける際には、抵当権設定登記が必要となります。しかし、なぜ抵当権設定登記が必要なのか、どうすればいいのかと悩む方もいらっしゃるでしょう。
そこでこの記事では、抵当権設定登記について解説します。抵当権設定登記とは何か、どのような場面で必要か、そして実際に設定登記をする際の流れや必要となる書類、かかる費用などを順番にご説明いたしますので、ぜひ参考にしてください。
なお、抵当権とは何かについては以下の記事で解説しています。
抵当権設定登記とは、不動産に抵当権が設定されていることを法務局に登録し、公にするための手続きです。
住宅ローンなどで金融機関から融資を受ける場合、単に抵当権を設定する契約を結んだだけでは十分とはいえません。抵当権の存在を登記によって明らかにすることで、金融機関は不動産を担保として法的に保護された立場になります。
そのため、抵当権設定登記を行わなければ融資条件を満たせないことになり、住宅ローンなどが借りられないケースが一般的です。タイミングとしては、融資実行と同時に抵当権設定登記が行われます。

では、抵当権設定登記が必要となる主なケース、以下の4つを紹介します。
一番多いケースは、住宅ローンを組んで住宅購入するときです。
住宅ローンを借りる際には抵当権を設定しますが、それが公になっていなければ、第三者にはわかりません。つまり、担保となっている不動産であることを知らずに第三者が購入してしまう可能性があるため、抵当権設定登記が必要です。
不動産投資のために物件を購入する場合にも、抵当権設定登記をします。
アパートやマンションを購入し、それを貸し出して家賃収入を得る場合には、不動産担保ローンが利用できます。その際、住宅ローンと同様に抵当権設定登記が必要です。
法人や個人事業主が事業資金を調達しようと考えるとき、不動産を担保として融資を受けられます。その際には会社や代表者個人が所有している不動産に抵当権を設定することで、不動産担保ローンが利用可能です。
前述したように、住宅ローンと同じく不動産担保ローンには抵当権設定登記が必要です。
現在、住宅ローンを組んでいる金融機関とは別の場所で住宅ローンを組みなおす際には、抵当権設定登記が必要となります。
まず新しい金融機関で住宅ローンを組み、そこでお金を借りて現在利用中の住宅ローンを繰り上げ返済します。その後、その金融機関で設定されていた抵当権を抹消し、新しくローンを借りた金融機関で抵当権設定登記を行う流れが一般的です。
なお、抵当権抹消登記について、必要な理由や具体的な手続きの流れ、注意点などは、以下の記事で解説しています。
抵当権設定登記を行う際の流れや必要な書類、かかる費用についてみていきましょう。
以下は、抵当権設定登記の一般的な流れです。ここでは住宅ローンを組む際の手続きの流れについて説明します。
まずは審査を受けて金融機関で融資を受けられることを確認し、金融機関と住宅購入者との間で金銭消費貸借契約を結びます。金銭消費貸借契約とは民法(※)で定められたもので、金利を含む同等のものを返すという約束によってお金を借りられるという契約です。
その後、抵当権を設定して契約、法務局に申請して登記します。
なお、登記申請は手続きの内容が複雑であるため、多くの場合、司法書士に依頼することになります。特に不備がなければ、通常、1~2週間ほどで登記は完了です。
登記が済むと法務局から登記事項証明書が交付されますので、それを取得後金融機関に提出して、手続き全体が完了となります。
(※)民法第587条
登記事項証明書については、どのようなものかや取得にかかる費用などを、以下の記事で解説しています。
抵当権設定登記に必要な書類は、以下の通りです。
上記のほかにも、ケースごとに別の書類が必要になることがあります。
また、司法書士への委任状は、司法書士に代理で登記申請をしてもらう際に必要です。委任状は依頼する司法書士に作成してもらいましょう。
抵当権設定登記には、以下の費用がかかります。
| 種類 | 費用 | メモ |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 債権額×0.4%(原則) | 住宅取得資金の場合、要件を満たせば 債権額×0.1%(~令和9年3月31日) |
| 収入印紙代 | 契約金額によって異なる | |
| 必要書類発行代 | 印鑑証明書450円登記事項証明書600円など | 市区町村によって費用は異なるが、一般的にオンライン請求の方が手数料は安い |
| 司法書士報酬 | 事務所によって異なる |

最後に、抵当権設定登記に関してよくある質問を紹介します。
A.実務上は、司法書士が手続きを行うケースが一般的です。
抵当権設定登記は、借主本人が行うことも制度上は可能ですが、住宅ローンなどの場合、金融機関から司法書士を指定されることが多くあります。登記に不備があると融資に影響が出るため、正確性が求められる手続きであることがその理由です。
そのため、多くの場合は金融機関と連携した司法書士が必要書類を確認し、法務局への申請までを代行します。
A.融資が実行されない、または手続きがやり直しになる可能性があります。
抵当権設定登記は、融資条件の一部として位置づけられているため、登記が完了しなければ金融機関は融資できません。必要書類の不備や手続きの遅れがあると、融資日が延期されることもあります。
不動産の引き渡しや決済スケジュールにも影響するため、抵当権設定登記は早めに準備を進め、専門家のサポートを受けながら確実に行うようにしましょう。
A.完済しただけでは自動的に消えず、所有者による抹消登記が必要です。
住宅ローンを完済しても、抵当権は不動産の登記簿上に残ったままになります。抵当権を正式に消すためには、「抵当権抹消登記」の手続きを行わなければなりません。
抵当権が残っていると、不動産を売却したり、新たな融資を受けたりする際に支障が出ることがあります。完済後は、金融機関から必要書類を受け取り、速やかに抹消登記の手続きを進めましょう。
なお、抹消登記については、必要な理由や手続きの流れ、注意すべき点などを以下の記事で解説しています。
抵当権設定登記は、住宅ローンや不動産担保ローンを利用する際に欠かせない重要な手続きです。融資実行日との調整や書類準備など、正確さと段取りが求められるため、内容を十分に理解して進める必要があります。
手続きをスムーズかつ確実に進めたい場合は、専門家に相談することがおすすめです。
南司法行政測量事務所では、抵当権設定登記をはじめとした不動産登記手続きに対応しており、融資スケジュールを踏まえた丁寧なサポートを行っています。
また、測量業務にも対応しているため、不動産に関する手続きをまとめて相談できる点も強みです。抵当権設定登記や不動産登記でお悩みの際は、業務内容をご確認のうえ、相談を検討してみてください。
不動産登記に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「不動産登記業務のご案内ページ」をご確認ください。

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