「登記簿謄本」は、不動産の売買や住宅ローンの手続きで、必ずと言っていいほど用意を求められるものです。
しかし、普段の生活では馴染みが薄く「つまりどんなもの?」「どこをチェックするべき?」などの疑問をお持ちの方も多いでしょう。
そこで本記事では、登記簿謄本の基礎知識から必要になる具体的な場面、そしてトラブルを防ぐためのチェックポイントまで、順番に解説します。スムーズな手続きのために、ぜひ参考にしてください。
登記簿謄本と登記事項証明書は呼び方が違うだけで、中身は同じものを指します。どちらも法務局が管理する登記簿の内容を証明する書類のことで、土地や建物、会社などに関する権利、所在地、そして所有者情報が記載されています。
| 名称 | 内容 | 要点 |
| 登記簿謄本 | 紙の登記簿に記載された内容を複写して証明したもの | 歴史的な呼び方 |
| 登記事項証明書 | コンピューターで管理された登記情報を印字して証明したもの | 現在の正式名称 |
つまり、法務局の窓口で「登記簿謄本がほしい」と請求しても、手に入る書類の名前は「登記事項証明書」です。
正式名称は登記事項証明書ですが、この記事では混乱しないよう、登記簿謄本で統一して解説します。
なお、登記事項証明書の基本について、どのようなものでどこで取得できるのか、またその取得費用がどれくらいかなどは、以下の記事で解説していますので参考にしてください。

登記簿謄本は以下の手続き時に必要です。
具体的にどのような場面で必要になるかをみていきましょう。
登記簿謄本は、不動産の売買、担保の設定、相続、リフォーム検討時などの権利が変動する際に求められる、公的な証明書です。
場面と内容を以下の表にまとめました。
| 場面 | 目的 |
|---|---|
| 不動産売買契約 | 対象不動産の所有者は誰か、抵当権がついていないかなどを確認する。 |
| 住宅ローン契約と抵当権設定 | 金融機関が住宅ローン(融資)のために担保となる不動産の情報を確認する。 |
| 相続登記 | 不動産相続の際に、被相続人(亡くなった方)の所有者情報を確認する。 |
| 財産分与 | 離婚の際に不動産所有権を移転するための情報を確認する。 |
| リフォームローン契約 | リフォーム契約の際、自宅を担保にするために情報を確認する。 |
登記簿謄本は、法人の実在性や最新情報の確認が必要な場面で提出を求められます。たとえば以下のような場合です。こちらも表にまとめました。
| 場面 | 目的 |
|---|---|
| 法人口座の開設 | 金融機関が法人の実在性を確認する。 |
| 融資申し込み | 融資のための法人の基本情報や代表者の資格を確認する。 |
| 事務所の賃貸借契約 | 法人として契約者が実在することを証明する。 |
| 許認可の申請 | 行政機関へ許可を申請する際の証明書として使用する。 |
| 新規取引先との契約 | 取引相手の信用情報を確認する。 |
登記簿謄本(登記事項証明書)には、不動産の情報や権利関係が細かく記載されています。すべてを完璧に理解する必要はありませんが、最低限チェックしておきたいポイントがあります。
ここでは、特に重要な3つの確認箇所を紹介します。
「甲区(こうく)」と呼ばれる欄には、その不動産の所有権に関する情報が記録されています。ここでまず確認すべきは「現在の名義人と、目の前にいる売主が一致しているか」です。
もし名義が異なっている場合、即座に取引ができないわけではありませんが、以下のような追加手続きが必要になります。
【相続登記がされていない】
名義人が亡くなった親族のままの場合、先に相続登記を済ませなければ売却できません。
【住所や氏名が変わっている】
引っ越しや結婚で情報が変わっている場合、現在の情報に書き換える「名義人住所・氏名変更登記」が必要です。
「本当の持ち主」と取引している確証を得るためにも、まずは甲区を一番に確認しましょう。
「乙区(おつく)」には、所有権以外の権利、主に「借金の担保」に関する情報が記載されます。ここで注意すべきは「抵当権(ていとうけん)」や「差し押さえ」の記録です。
抵当権がある場合は、その不動産がローンの担保に入っていることを示します。通常、売買の決済と同時にローンを完済し、抵当権を「抹消」する手続きを行いますが、事前に抹消の見込みが立っているかを確認する必要があります。
そして、差し押さえがある場合は税金の滞納などで差し押さえられている物件であるということです。つまりそのままでは自由に売買できません。
「せっかく買ったのに、前の持ち主の借金のせいで競売にかけられてしまった」という事態を防ぐため、乙区に未抹消の権利がないか入念にチェックしましょう。
なお、抵当権や抵当権抹消登記について、どのようなものなのか、必要な理由やメリットデメリットなどを以下の記事でそれぞれ解説しています。
表題部では、土地や建物の物理的な情報が記載されています。ここでは、面積・地目・構造などが実際の状況と合っているかをチェックしましょう。
特に土地の場合、登記簿上の面積と、実際に使われている面積にズレがあることも珍しくありません。これは、過去に測量がされていなかったり、古い登記情報のままになっていたりすることが原因です。
将来的に売却や建築を予定している場合は「登記簿の数字=現況」と思い込まず、測量が必要かどうかも含めて検討すると安心です。
測量について、その種類や目的、専門家は誰かなどは、以下の記事で解説しています。

登記簿謄本は誰でも取得できる書類ですが、取得のタイミングや種類を間違えると、「使えない書類になってしまった」というケースもあります。
ここでは、特に気をつけたい2つのポイントを押さえておきましょう。
登記簿謄本には法律上の有効期限はありません。しかし、実際の手続きでは「発行から〇か月以内のもの」と指定されることがほとんどです。
たとえば、金融機関への提出や、役所・取引先への提出では、発行から3か月以内、6か月以内などの条件がつくケースが多くあります。これは登記情報が日々更新される可能性があるからです。
あまりに古いものを提出すると、現在の正確な状態を証明できないため、「古いので取り直してください」と言われてしまうこともあります。まずは提出先に確認したうえで、必要なタイミングに合わせて取得するのが安全です。
登記簿謄本にはいくつか種類がありますが、不動産でよく使われるのは「全部事項証明書」と「現在事項証明書」です。
提出先によって、どちらを求められるかが決まっている場合があります。
自己判断で取得すると、「種類が違うので再取得してください」となることもあるため、事前にどの種類が必要かを必ず確認してから請求するようにしましょう。
登記簿謄本(登記事項証明書)は不動産の「身分証明書」ですが、その内容と現況が一致していないケースは意外に多いものです。もし「面積が違う」「古い権利が残っている」などの問題が見つかったら、早めに専門家へ相談しましょう。
南司法行政測量事務所の最大の強みは、司法書士と土地家屋調査士が在籍し、測量から登記まで一貫して対応できる「ワンストップ体制」です。
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不動産登記に関する具体的なサポート内容については、南司法行政測量事務所の「不動産登記業務のご案内ページ」をご確認ください。

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